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スキップ
あろうことか、昨日の夕暮れ、誰もいない並木道で「スキップ」などという、およそ人間に許された最も軽薄で、かつ最も幸福な身振りを試みたのであります。そもそも、スキップとは何事でしょう。歩くという、あの峻厳な自己規律の一歩一歩の間に、ふいと「無意…
2026.03.25
温泉
私は今年で十八になる。書生という身分は、世間の風波(ふうは)をよそに、古びた書物と格闘していれば済む気楽な稼業(かぎ業)に見えるやも知れぬが、その実、内面は得体の知れぬ焦燥に焼かれているものである。胃弱を患うのも無理はない。叔父の勧めもあり…
2026.03.25
猫の一日
わが家の猫は、どうも身の処し方がきっぱりとしている。朝、障子の桟(さん)を薄桃色の光がなぞる頃、奴はもう起きている。こちらが布団の中でぐずぐずと、昨日の疲れがどうの、今日の手配がどうのと、とりとめもない算段を巡らせている傍らで、猫はただ、坐…
2026.03.24
総理
鉄鉢(かなぱち)の中にも、時代の風。どこまでも青い空を、千切れた雲が急ぎ足で過ぎていく。私の足も、それにつられて少しばかり速くなる。世の中は、ずいぶんと賑やかになったものだ。町の電器屋の店先に並ぶ薄い箱の中では、一人の女が凛とした声で語り続…
2026.03.24
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