ホーチミンの気候は、まるで常夏のリゾート地。年間を通して気温は30度を超え、季節は雨季と乾季の二択しかないという潔さ。北部のハノイには一応「四季」があるのだが、冬といっても日本のように凍える寒さにはならず、せいぜい10度前後までしか下がらない。それでも現地の人々は、まるで雪国にでも行くかのような重装備で街を歩く。日本人からすると「そこまで着込む!?」と驚くほどの防寒スタイルだ。
ハノイ、ハイズン、ハイフォンなど北部地域では、12月後半から3月末にかけて、太陽がまるで長期休暇にでも出かけたかのように姿を見せない。ずっと薄曇りで、空は灰色のフィルターをかけたよう。これは熱帯モンスーン気候ってやつだろうか?4月になると一転して猛暑が始まり、しばらくは「灼熱地獄」モードが続く。とはいえ、ベトナムの暑さは日本よりも不思議と凌ぎやすい。ジリジリと照りつける日差しの中でも、時折スコールのような雨が降ってくれて、空気がリセットされる。夜はクーラーをつけて寝るのが定番だが、28度に設定しても寒くて目が覚めることがある。かといってクーラーなしでは寝苦しい。まさに「暑いけど寒い、寒いけど暑い」という矛盾の中で眠る日々。ホーチミンのオフィスでは、日中の室内もなかなかの熱気。快適に仕事をしたい一心で、こっそりエアコンの温度を調整する。日本人にとっては25〜26度がちょうどいいが、正直なところ、暑い日は18度くらいにしてキンキンに冷やしたい。どうせ会社の電気代だし、涼んでもバチは当たらんやろ…と思っていたら、突然の声。
「らむ銀さん、温度戻していいですか?」
なぜバレた!? リモコンでこっそり25度に設定し、お腹に向けて元の温度に戻していたのに…体感温度で察知されるとは、恐るべし現地スタッフの感覚。

「いいよ…(顔引きつりながら私)」
ローカルに任せると、設定温度はなんと31度。意味ないやん!と思いきや、外気温が36度なら、確かにそれでも涼しいのかもしれない。でもやっぱり…31度は暑いって!



コメント