すったもんだはありましたが、それでも何とかメッキの良品を作り、親会社へ納品することができたのは良かった。しかし結果として、メッキ屋の社長が出した歩留まりはわずか20%。散々な数字で、正直「ドヘタクソな会社だ」と思わざるを得なかった。まあ、こういう時もあると割り切るしかない。今回の部品は一時凌ぎであり、数が少なくても構わないという判断だった。メッキをかけたのは成形品としてはNB(No Bat)の部品で、NGなら廃棄するしかないが、NBだと扱いに悩む。メッキや塗装を施せば使えるが、やはり仕上がりの品質は気になってしまう。
工程は、まず成形品を生産し、それを塗装・印刷。最後に組立(アッセンブリ)して梱包する流れだ。最終工程である組立の数がなかなか伸びず、どんなに頑張っても2400しかできない。部品点数が多いせいか、筐体への組込み速度が遅いのかもしれない。ところが親会社からの要求は4800。つまり倍の生産量を求められていた。
正直、この「2倍」という課題は非常に重く感じられた。実際、最初の一週間は2800に伸ばすのがやっとで、連日の徹夜で疲れ切った親会社のお偉方を激怒させてしまった。気が立っているのは仕方ないが、こちらとしては打つ手なしと感じていた。ところが、ある日計算すると3200できていた。翌日は3600、さらに4000と、一日ごとに400~500ずつ増えていき、最終的には5200で頭打ちとなった。品質を考慮し、4800で止めることにしたが、それでも要求を満たすことはできた。 生産数を固定したことで残業も減り、親会社の方々もようやく帰っていった。だが心の中では「今までキャパを落としてやっていたのではないか?」という疑念も浮かんだ。しかし、もし本当にそんな演技力があったなら、2週間も持続させることは不可能だろう。組立は全員女の子で、和気藹々と作業しているように見えたが、実際には底力を発揮してくれたのだ。全体的に頑張ってくれたおかげで、社員旅行はいつもより遠くへ行き、日数も増やすことができた。努力が報われた瞬間だった。


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