仕事は楽か?

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プラスチック成型の仕事というのは、材料の搬入を除けば、意外と重労働ではありません。射出成型のオペレーターが行う作業といえば、インサート成型で金具を金型にはめ込む程度。あとは、取り出しロボットでは対応できないような柔らかい素材の製品を、手作業で取り出すくらいです。ほとんどの成型機には自動で「打ち落とし」機能が備わっているので、成型品はポトンと真下にセットされた段ボール箱に落ちてくれます。だから、作業自体はそれほど過酷ではなく、一人で複数台の機械を管理することも可能です。

そんな現場で働いていると、ふと感じることがあります。海外、特にベトナムで働いているローカルスタッフたちは、日本での仕事よりもずいぶん楽をしているように見えるのです。実際、コロナが猛威を振るっていた頃のベトナムでは、ライン作業でビス止めや検査を担当する工員の月給が、約2万日本円程度。つまり、日本人が1日かけてこなす仕事でも、現地では2〜3人に分担させても人件費的にはまったく問題なし。印刷の工程では、日本人が一人でこなしていた作業を、4人がかりでやっていたこともありました。

さすがに「これはやりすぎだろう」と思って作業を分散させたものの、効率はガタ落ち。ミスも頻発しました。これは能力が足りないからなのか?それとも、日本人が優秀すぎるのか?どちらにせよ、日本では「仕事が辛くて辞めていく社員」が後を絶ちません。日本人は、何かを犠牲にしてまで働いているような気がします。私自身も、知らず知らずのうちに何かを犠牲にしているのかもしれません。能力以上の仕事を背負い込んでしまい、気づけば仕事がいつまで経っても終わらない。まるで終わりなきマラソンです。

一方、日本で働いている外国人スタッフと腹を割って話してみると、こんな本音がポロリと出てきます。「日本の仕事って、つまらないよね」。これは彼らだけの意見ではありません。実際、日本人だって「仕事が面白い」と思って働いている人は、そう多くはないのです。「仕事が楽しい」と口にする人は、世間体を気にして本音を隠しているだけ。これは日本特有の現象かもしれません。

海外では、給与に見合った仕事しかしないのが普通です。だから、ちょっとしたスキを見つけては、サボる…いや、遊ぶような振る舞いをしているのです。もちろん、全員がそうだとは言いませんが、「働き方の文化」が根本的に違うのは確かです。

そんな中で、私の心に深く刺さった言葉があります。タモリさんの名言、「真面目にやれよ!仕事じゃねえんだぞ!」。この一言、実は核心を突いていると思うのです。仕事を真面目にやるのは当然。でも、それが人生のすべてになってしまっては、本末転倒。仕事は人生の一部であって、すべてではない。だからこそ、肩の力を抜いて、時には遊び心を持って取り組むことも大切なのではないでしょうか。

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