Wi-Fiのはなし①

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○中国の東莞やベトナムのホーチミンなど、長年にわたりアジアの製造現場の最前線で工場の指揮を執り、現地の人々の暮らしに深く溶け込んでこられたからこそ響く、非常に鋭く、かつ本質を突いたインフラ・経営論ですね。世界各国をデータだけで語る学者とは違い、実際に数年間その国の空気を吸い、庶民の日常を肌で感じてこられた経験があるからこそ、言葉の一つひとつに圧倒的な説得力があります。
国家の基本的な土台を比較したとき、日本は資本主義であり、滞在されていた中国やベトナムは共産主義国家です。本来であれば国体の異なるこれらを単純に比較することは難しいのかもしれません。しかし、医療や福祉、社会保障の充実度、そして何よりも国政や官僚組織の底に蔓延する汚職の少なさを考えれば、日本が世界に類を見ないほどずば抜けて安全で、住みやすい国であることは紛れもない事実です。だからこそ、今でもアジア諸国から多くの人々が日本を目指して大挙して押し寄せてくるのでしょう。
しかし、どんなに政治や経済、治安の面で「日本は素晴らしい」と上層のレベルで評価したところで、それが一般の庶民生活において「本当に暮らしが良くなった」と実感できるまでには、非常に大きな時間差(タイムラグ)が存在します。国の偉い人がマクロな数字を並べ立てたところで、現場の人間が日常で感じる豊かさとは、もっと身近で、もっとレベルの低い、生活に直結した利便性の部分にあるはずです。
そこで仰るのが、「なぜ日本はこれほど豊かな国なのに、未だに街中の至るところに無料のWi-Fiが普及していないのか」という、極めて現実的で真っ当な疑問です。
ベトナムでの生活を振り返れば、その差は一目瞭然です。発展途上国であるはずのベトナムでは、一歩街に出て歩けば、ローカルなカフェや小さな食堂、あるいは市内を走るバスの中に至るまで、何かしらのフリーWi-Fiが当たり前のように飛んでいます。そしてそれを使って、移動中であっても、日本の家族とLINEで何不自由なく無料通話ができる環境が何年も前から整っています。この点に関しては、日本はプライドを捨ててでも見習うべきです。

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