≪掃除≫

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「はーい、どうもー! 館山やすし・石川きよしでございます!」
「いやぁ、きよし君。今日のお題は『掃除』やそうやで」
「掃除! ええねぇ、やすしさん。春の陽気に誘われて、お家の中をピッカピカに。心が洗われますな」
「アホか! お前が言うてるのは『ハタキ持ってパタパタ』やろ? 俺が言うてるのは、もっと……こう、“裏の掃除”や」
「掃除」の定義
きよし:裏の掃除? なんやのそれ。換気扇の油汚れとか、排水溝のヌメリ取りのこと? 確かにあれは大変や。
やすし:お前は相変わらず平和な頭しとるな! 違うわ! 「掃除」いうたら、この街のゴミを片付けることや。
きよし:ほう、ボランティア活動ですか。感心ですな。
やすし:誰がトング持って空き缶拾うねん! 俺が言うてるのは、「不始末をつけた奴を、きれいさっぱり消し込む」方の掃除や。
きよし:……ちょっと待ちなはれ。それ、漫才で言うてええやつ?
やすし:ええねん! 今日は「どすの効いた」やつを頼む言われとるんや。ええか、きよし。俺が組の「掃除屋」や。お前は、なーんも知らん新米の若い衆や。ええな?
きよし:……(メガネを直して)わかりました。ほな、やってみましょう。

やすし:(急に声を低くして、凄みを利かせる)……おい、きよし。
きよし:は、はい! アニキ、何でしょうか!
やすし:さっきの「案件」、片付いたか。
きよし:案件……ああ、あの、事務所の裏に溜まってた段ボールの山ですか? 全部紐で縛って、資源ゴミの日に……。
やすし:(ドスの効いた声で)誰が古紙回収に出せ言うたんじゃワレ!!
きよし:ひぇっ!
やすし:俺が言うてんのは、あの「裏切りもんのヤマ」のことや!
きよし:ヤマ……? 山田さんのことですか?
やすし:そうや。あいつ、組の御法度に手を出しよった。落とし前つけさせなあかん。……掃除の時間や。
きよし:掃除……。具体的には、何を?
やすし:まずは「洗剤」の用意や。
きよし:洗剤? やっぱり汚れ落とすんや。えーっと、マジックリンですか?
やすし:コンクリートじゃボケェ!!
きよし:コンクリート!? 洗剤やないやん!
やすし:あいつをドラム缶に放り込んで、上から「流し込む」んや。そらもう、ピッカピカになるど。この世から影も形も消えてなくなるんやからな。究極の断捨離や!
きよし:そんな恐ろしい断捨離ありますか! 捨てたらあかん、命は!
やすし:ええか、プロの掃除屋は道具にこだわるんや。ハタキやなくて「弾き(ハジキ)」、雑巾やなくて「ドス」や。
きよし:……物騒やなぁ。
やすし:きよし、お前、さっきの現場に「指紋」残してへんやろな?
きよし:指紋……。あ、お茶菓子食べた時に、ちょっと湯呑みにベタっと……。
やすし:(ネクタイを締め上げて)何さらしてくれとんじゃ! 掃除の基本は「証拠隠滅」や。ルンバが通った後みたいに、何も残したらあかんのや。
きよし:いや、でもアニキ。掃除機くらいはかけんと……。
やすし:掃除機? ああ、あの「バキューム」か。
きよし:そうです。
やすし:でな、掃除の最後は「消臭」や。
きよし:消臭……。ファブリーズですか?
やすし:「線香」や。
きよし:……(絶句)。
やすし:チーン、言うてな。これで全部スッキリや。
きよし:全然スッキリしませんわ! 怖いわ!
やすし:何をビビっとんねん。これがお掃除の醍醐味やないか。世の中のゴミを、俺らみたいなプロが綺麗にしてやってるんや。
きよし:やすしさん、それ「掃除」の解釈が完全に間違ってますって! お客さん、引いてはりますよ!
やすし:……(客席をジロリと見て)おい、誰や。今「怖い」言うたん。
きよし:誰も言うてません! 私が言うたんです!
やすし:ガタガタ抜かすな! お前も一緒にドラム缶入るか!
きよし:勘弁してください!……もう、いい加減にしろ!
「どうも、ありがとうございましたー!」

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